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ジョンさんと私(カフィータイム編)

職場の同僚、ジョンさん(アメリカ出身)のシリーズです。
(過去のジョンさん


私はその日、めずらしく仕事のスケジュールに余裕があったので
デスクに座って近くの同僚と雑談をしていました。

会話の途中で、相手から視線をそらすと
ジョンさんがこちらを見ていました。

なんだかよく分からないのでニコリとすると
ジョンさんはアメリカのイメージにそぐわない
大変控えめで恥ずかしそうなスマイルを見せてくれました。

そして次の瞬間に真剣な表情に戻り
すくっと席を立って、ずんずんと大股でこちらに近づいて来ました。

2メートル近い長身で
靴のサイズ31センチ(「日本ニハ、マズアリマセン」)のジョンさんが
勢い込んで近づいていらしたので、私はちょっとおののきました。

私のデスクの前に立ったジョンさんは
大変真剣な表情で、いきなりこう言いました。
「ヒトツ質問アリマス、ノリサンハ、coffee飲ミマスカ?」

その質問の何が
その表情ほどに重要なのかは分かりませんでしたが

とにかくジョンさんの質問には真剣に答えなくてはいけませんので
「私は、砂糖を入れないと、飲めません。」と言いました。

するとジョンさんは
「OK、私ノ美味シイcoffee入レマス。
 ズット入レタカッタデスガ、ノリサン忙シイデスカラー
デモ今日ナラ余裕アリマスカラー (※のりが)
ジョンさんには、その日の私の「余裕アリマス」っぷりがお見通しだったようでした。


しばらくすると
ジョンさんはコーヒーフィルター内臓のステンレスマグと
コーヒーカップと、小さな湯呑みを持って
私のデスクに来られました。

「ズット入レタカッタデスガ、ノリサンハ忙シイデスカラー」
ジョンさんは同じことをもう一度言いました。

正直私は、「なぜ…」と思いましたが
(コーヒーが好きだと言ったこともないので)
丁寧に慎重にカップにコーヒーをそそぐジョンさんの大きな手を見ていると
これは心して飲んで、しっかり感想を言わなくてはいけない、と思いました。

コーヒーを注ぎ終わると、「砂糖、アリマス」と言って
ジョンさんは上着のポケットからスティックシュガーを取り出しました。

それを受け取った次の瞬間
ジョンさんの胸ポケットから、紙ナプキンに包まれたスプーンが出てきました。

そして、さっき一緒に持ってきた小さな湯呑みを差出し、
「粉ミルクデス」と言いました。

中身を見ると、湯呑みの底にちょうど1人分くらいのクリープが入っていました。
わざわざ給湯室から入れてきてくださったようです。
デートでもここまでの気遣いをしてもらったことはないかもしれません。
私は有難い気持ちでコーヒーをいただきました。

ジョンさんはコーヒーを飲む私を凝視しながら
このコーヒーはお気に入りのお店から取り寄せているのだけれど
家族の中でコーヒーを飲むのは自分だけだから
何となく気を使うので、送料を安くしてもらえるよう交渉した、
というようなことを言いました。

大きな体をかがめて身の上話をするアメリカ人に凝視されながら
コーヒーを飲むその状況は訳が分かりませんでしたが、
おすすめのものを飲ませてやろうと思って下さった
ジョンさんの思いやりが嬉しかったので、私は素直に
「酸味があってとてもおいしいです。
 わざわざ入れて下さったジョンさんの気持ちも嬉しいです。」
と褒めました。

すると、ジョンさんは頬を赤らめてoh…と言い、
「コノマグノ フィルターハ 大キイデスカラー
 カップノ底ニ 粉ガ溜マリマスガー
 コノ粉ハー
 飲ンデモー 

 飲マナクテモー 

 ドッチデモ、イイ!」
と力強く言いました。

これが私のツボに異様にはまり、
温泉のように湧きあがってきた笑いによって
コーヒーが鼻に逆流しました。

鼻でも味わったジョンさんお気に入りのコーヒーは
大変いい香りがしました。
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シオリを許してやれ(4)

結婚式が終わって半年ほど経ったころ
私は路上で偶然、タムラさん夫妻に出会いました。

タムラさんは私に気づいて
「同期の のりさんだよ。二次会でビデオを撮ってくれてた…」
とシオリに話しかけました。

シオリはそれを聞いて
漫画に出てくる「わたわたする人」そのもののような仕草で
「えー!? えー!? えー!?」と言いました。
去っていくまで、それでした。

ばかめ…。



翌日、社内でCさんと雑談をしていると、こんなことを教えてくれました。

「タムラさんがなぁ、むっちゃがんばってはるで。
 嫁さんの職場が遠いし、残業多くて大変やからって
 家事は全部自分がして、朝四時から弁当も作ってるらしいぜ。」

それを聞いて、私はほぉーと感心しました。
確かによくがんばっておられます。
シオリも夫に助けられながら仕事をがんばっているのでしょう。

まだ挨拶もできんけどな…!
夫も注意すりゃいいのにと思うけどな…!
弁当を渡してやる時に、「ありがとうくらい言え」って言やいいのに。

私はそんな気持ちを押し隠して、もう一回「ほぉー」と言っておきました。




それから1年たった頃、私は小さな雑貨屋でまた夫妻に出会いました。

そのお店は、5人も入ればいっぱいになるほどに小さく、通路も狭いお店でした。
ドアを開けて中を見ると
お客さんは4人でしたが大変込み合っている感じがしました。

理由は奥にいる二人連れでした。
女性の方は熱心に棚を物色していました。
連れの男性は通路の一角をベビーカーで塞ぎ、さらに大きな体で棚を塞ぎながら、
ベビーカーの前にただ立っていました。

私はその状況を見て
なぜ、外で待たない?と思いました。

私はこういう
「人の迷惑になる状況であっても、店に全く興味がなくても、
 とりあえず絶対ついてきて、横にいないとダメ!」
という2人連れが嫌いです。

私はそんな店内の様子を見て、ドアを開けるアクションの数秒のうちに
中に入ろうかやめておこうか、まで考えました。

すると、聞こえたのです。
「ねぇー、これ、超かわいくない!?」という姫の声が。


シオリ、君か…!
そして、タムラさんか…!

「あー…」という、タムラさんの声を聞きつつドアを閉めた私は、
店に背を向けながら
やっぱりシオリは許せないな、何よりタムラさんがダメだわ
と思ったのでした。

(おわり)

Appendix

プロフィール

のり

Author:のり
兵庫県在住のアラサー。
好みのタイプは草野仁。
笑いのツボはミラ・ジョボビッチと
木の実ナナです。

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