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シオリを許してやれ(3)

居酒屋での3次会を終えた後
男性AさんとBさんは、そのまま夜の街に消えて行ったのですが
私たち女性陣と、妻子持ちの男性Cさんは電車で帰ることになりました。

人もまばらな終電に乗った私たちは、疲れもあってぐったりしていました。
男性Cさんは寝てしまっています。

ガタンゴトンという電車の音を聞きながら
窓ガラスに映る、横並びに座った自分たちの姿をぼーっと眺めていたところ
女性2人がぽつりぽつりと話し始めました。

「…あんなんでええのかな」
「…なにが」
「当然のような顔をしてて、感謝の気持ちがなかったやんか…」
「そやったなぁ…」

「…のりちゃんはどう思った?」
「…そう思った」
「思うよなぁ」

私はこの時、あまり話す気分ではなかったのですが
今しか言えないという気がして、正直な気持ちを言うことにしました。

「…なんかなぁ、彼女みたいな子がな
 一般的に見たら、仕事を持っていて、若いうちにきちんと結婚して母親になってる、
 そういう"やることやってる人"になるんやんね…。」
「…そやなぁ。
 大学出てすぐに公務員の正規採用やしなぁ。
 保険や年金の不安とか、考えたこともないやろなぁ。」
「それはもちろん、立派なことなんやけどな…」
「そやなぁ」

そこで会話が途切れ、また電車の音が大きく聞こえ始めました。
すると、寝ていると思っていた男性Cさんが、突然ぼそりと言いました。

「シオリを許してやれ」  

私たちは、訳が分からないので、無言で続きの言葉を待ちました。

Cさんはまだ眠いのか半目で、
前方に足を延ばしすぎたことで、背もたれに対して斜めになった姿勢のまま
話を続けました。

「ええか…今日のビンゴの景品でも見てみ。
 まだ若いからな、誰の結婚式にも出たことがないんや。
 だからどんなものを選ぶべきかも分からへんし
 かわいさとか、ありのままの自分の感じとか(※恐らく「手作り感」と言いたいと思われる)
 今までと同じように、そういうのが普通に通用すると疑ってもおらんのや。」
「…はぁ」
「旦那の仕事仲間に、挨拶もできへんってのもな
 今の状態が自分や旦那の努力だけで成り立ってるとしか考えてへんからや。」
「…はぁ」
「結婚生活だってよ、色んな人に助けられて見守られて成り立っていくんやろ。
 でもそこまで考えが及んでないからな
 素敵なドレス姿の私が見れる楽しいパーティーに招待してあげたわ、
 って顔しとったやろ。」

「…そうですね」
「ええか…あの嫁さんは、苦労はこれからしよんねん。
 仕事を本格的に始めたら、いっぱい頭も打つやろしな。」
「…なるほど」
「毎日家事をしても、誰も評価してくれんとかな。
 大人としての自分は、ありのままでは評価されないとかな。
 アンタらと違って、そのことでいちいち泣いたり怒ったりするんやろけど
 あの子はこれから大人になんねや、だから許してやれ」
「…分かりました」

たぶん、Cさんは酔っていたのです。
彼はいつも言葉少なめで、いつも優しくて、いつもフェミニストなのですが
半目のまま、辛辣な真実をたくさん話してくれました。

ひと通り話して満足したのか、Cさんは再度目を閉じて、寝る体制に入りました。
そして、最後に、半分寝言のように、こう言ったのです。


「あーでもなー、
 俺、シンデレラの髪型はないわー」


私たちは、大変に
心癒されたのでした。

(つづく)
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シオリを許してやれ(2)

私が心の中で口汚く「おまえ」よばわりしてしまった頃
ステージでは、新郎新婦が景品を用意したビンゴ大会が始まりました。

可愛く包まれたたくさんの景品は、すべてシオリが選んだそうです。
司会のその言葉に、会場から「ほぅー!」という声が上がりました。


<補足>

結婚式の二次会で「新郎新婦が景品を提供した」場合は
新郎新婦の感謝の気持ちを表した
ちょっといい物(加湿機とかお食事券など)が入っていることが多いです。

もちろん新郎新婦の経済力によって異なりますが
タムラさん夫妻は、豪華な式を挙げられる経済力を持っていました。

話を戻します。


ゲームが進み、続々とビンゴ達成者が出始め、
シオリ自らが景品を手渡してくれました。いちいち拍手が起こります。

1位の男性に渡された包みの中身は、リップバームでした。
香りは「ピーチメルバ」です。600円です。
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男性は「?」という顔をしていました。
どこに塗るものなのかも分からなかったようです。

2位の方はシオリの女友達でした。
中身はケーキの形をしたタオルでした。500円です。
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かわいー、と言っておられました。

そして3位は、なんと私でした。
中身は色鉛筆デザインの箸でした。400円です。
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即、カバンにしまいました。

4位から10位は同じものでした。
ボンヌママンのハチミツ(30g)です。100円です。
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以上です。しめて2200円です。
夢をありがとうシオリ。


会場内にいる、シオリの女友達以外の人の間に
笑顔という名の「反応しようがないという空気」が流れました。

これは、
「テンションが上がった男子が"大事なところ"を見せた時」

のような、「えー…?」という気持ちでした。


その後、どうにかこうにか会が終わりました。
退場の際、私たちに丁寧なお礼と労いの言葉を下さったタムラさんの横で
シオリは「ごはん食べてもらえました?」と言いました。

誰かが「ええ、おいしかったですよ」と言うと、
シオリは「でしょー?」と言いました。



私たち幹事は、お腹を空かせたまま居酒屋に流れて3次会をしました。
誰もが無言でした。
言いたい言葉は、今すぐに出せるほど、少なくはないのです。

2次会で私の口に入ったものは、1杯のオレンジジュースのみでした。
他の幹事が食べたものも、サーモンを1切れとか、サラダをひとつまみとか
トマトで似たクスクスをワンスプーンとかいう具合でした。
すきっ腹に染みわたる居酒屋飯を
皆で黙々と食べていると、女性Dさんが突然ぽつりと言いました。

「食べてくれました?て…!」

私たちの気持ちは、すぐにひとつになりました。
『会費制やったがな…!』



そこから
10000円以上払ったのに、ほとんど食べていないのはくやしいとか
気取っているばかりでおいしい料理がなかった(ありゃ姫様飯やで)
などと、皆が雑談を始めました。


私はそれを静かに聞きながら、今日のシオリについて考えていました。

挨拶ができなかったのも、ええ気になっていたのも
若さと喜び故と、多めに見ることはできました。
タムラさんは礼儀がしっかりした方ですから
今後、シオリのそういった部分を指摘されることでしょう。

人生に1回のことですから
お姫さま呼ばわりされて喜んだことも許しましょう。
好みの会場を押し通したことも許しましょう。
でもなぁ
「箸て…!」


静かにしていた私が突然発した「箸て…!」の叫びに
皆は一瞬動きを止めました。

そして、素晴らしく適格なレスポンスをくれました。


『お誕生日か…!』

(つづく)

シオリを許してやれ(1)

私はシオリが嫌いです。
根っからソリが合いません。

今回はその理由を書いて行こうと思います。



シオリとは、私の同期の男性タムラさん(仮名)の妻です。
皆より10歳年上で心優しいタムラさんを
同期全員が「兄のような存在」としてとても慕っています。

そのタムラさんが、入社3年目の年に結婚することになりました。
シオリは当時、難しい公務員試験を突破したばかりの、23歳でした。
一発で合格できるほどに優秀で、若くてかわいい方だそうでした。

同期の私たちは、タムラさんに依頼されて
友人のみ参加の二次会(会費制)の幹事を勤めることになりました。

会場はシオリが希望した人気のあるおしゃれなレストランバーに決まりました。

会費は1万円を超えました。
これは二次会としてはなかなかに高いお値段です。
披露宴から続いて出席する人達の負担を考えて
私たち幹事はもう少しリーズナブルな会場を探していたにも関わらず
シオリが雑誌でも話題のそこを指定してきました。

さて、当日になりました。
私たち同期は、司会に音楽にと大変忙しくしていました。

皆、食事は全然食べていません。
シオリの希望によって決定された料理はビュッフェ式だったのですが
広い会場の端っこに並べられていたために
幹事の持ち場を離れて料理を選ぶ暇がなかったからです。

私は受付係を済ませた後、ビデオ係をやりました。
ずっと立ちっぱなしでしんどかったのですが
タムラさんのためだと思うとがんばれました。

撮影しながら新郎新婦の席に近づいた私は
初めて会うシオリに(私は事前の打ち合わせに行けなかったので)
こそっと挨拶をしようとしました。

すると、タムラさんが気づいて「この人はのりさん、僕の同期だよ」と
シオリに紹介してくれました。
「いつもお世話になっています。」という私の言葉を聞いて
シオリは顎を前方に突き出すだけの会釈をしました。

私の後方にいた、自分の女友達が気になっていたらしく
シオリは私と目も合わせずに、顎を前方に突き出すだけの会釈をしました。


「忙しくて食べる間もないやろ、悪いなぁ」とタムラさんが言ってくれたので
私は「いやいや、食べてますよー」と言いながらビデオを回し続けました。
そんな私を見て、シオリはただ微笑んでいました。

私がシオリに「皆さんからのコメントも撮っておきましょうか?」と聞いたところ
シオリはこくりと頷きました。
シオリはこくりと頷きました。


そんな中、「シオリの女友達3人からのスピーチ」が始まりました。
この日、シオリはシンデレラの髪型をして、大きなティアラを付けていました。
友人たちは、お決まりの「本日は本当におめでとうございます」のセリフを言っているうちに
何やら感極まって泣いてしまいました。

そして泣きながら、
「シオリぃー!お姫さまみたいだよぉー!」と言いました。
シオリはそれを聞いて「きゃー」と喜んでいました。


私の体に衝撃が走りました。

お姫さまみたいだよぉー!

お姫さまみたいだよぉー!






あっ、そうやったそうやった。
シオリさまはお姫さまやった。
私、勘違いしてたけど、そういえばお姫さまやった。
きれいなドレスを着て、にこにこ座っておられるもんな。
お顔を見てみたら「あたし、おひめさま」と書いてあるもんな。
お姫さまだから、あいさつなんかされないんや。
お姫さまのお世話をさせていただけるのは光栄なことなんやわ。
シオリさま、そういえば「今日は私の日」って言ってらしたな。

お姫さまだわ。
お姫さまだわ。
おひめ…
おまえその辺の小娘やんけぇぇ…!

(つづく)

それだけが全て

ある人が今日、震災の思い出によって
寂しい想いをしているのではないかと思ったら
私はとてもわたわたして
どうしようもないほどに寂しくなって
その人のためにできることなら何でもしたいと思いました。

もう寂しい想いはして欲しくない。
好きなことをやって、望むものを手に入れて
自分を高める喜びを持って
いつもただただ幸せであって欲しい。

今の私は
その人にこの言葉を直接伝えることを
たぶんしないだろうけど
1日、そんなことを考えていました。

この思いがめぐりめぐって
あの人を包む世界の、小さな力のひとつになればいい。

できることをやろう。
優しさを返そう。
それが全て。



妹と隆起したもの

昨年、当ブログをご覧下さった皆さま、本当にありがとうございました。
今年も もっちり をよろしくお願いいたします。




新年一発目は間違いが多い妹シリーズです。
(過去の間違い 



お正月のある日、テレビを見ながらうたたねしていた私が目を覚ますと
妹が何やら不快そうな顔をしていました。

妹は、起きた私に気づくと、開口一番こう言いました。
「 "もっこり" のせいで気持ち悪いわ…」

私は、自分が寝ている間に
露出狂でも現れたのかと思ってあわてました。

しかし次の瞬間、妹の前にこれが置いてあることに気づきました。
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はい、分かりましたよ。

恐らくあれです、これと間違えてるはずです。
   SMCCR_R1_20110210.jpg
最近CMでよく見かけていたので、まぁ、妹の間違いとしては序の口でしょう。
酔っているせいで、まっこりを「もっこり」と言ってしまうという
2重の間違いには熟練の技さえ感じます。


(お酒に強い妹なら普段はこれ1本くらいなんともないのですが
 この時は、喉が乾いていたところであわてて飲んだので
 たまたま気分が悪くなったとのことでした。)


酔っている妹に、間違いを指摘しても仕方がないので
とりあえず水を飲み、休むように言いました。

妹は「いやー、もっこり キクわー…」
と言いながら寝てしまいました。



翌朝、起きてきた妹に昨日のことを言おうとしたら
スッキリした表情で私の顔を見るなり
「いやー、昨日の もっこり 強かったわ!」
と言いました。


シラフでも、ブイブイ言わしております。

Appendix

プロフィール

のり

Author:のり
兵庫県在住のアラサー。
好みのタイプは草野仁。
笑いのツボはミラ・ジョボビッチと
木の実ナナです。

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